vol.56 Jul./Aug.2019

56sum
巻頭インタビュー
アフリカがくれた生命のメッセージ

MISIA (歌手)

特集◎アフリカビジネスの新たな挑戦 TICAD7の戦略
8月に横浜で開催されるTICAD7(アフリカ開発会議)。アフリカのオーナーシップと国際社会のパートナーシップを掲げてアフリカ開発のトレンドをリードしてきた。その戦略と課題を考える。

《全文公開》座談会・出遅れた日本企業 第三者連携で挽回を図れ……梅本優香里(アフリカビジネスパートナーズ代表パートナー)/平野克己(日本貿易振興機構理事)/横井靖彦(経済同友会アフリカ委員会委員長・豊田通商シニアエグゼクティブアドバイザー)/牛尾滋(外務省アフリカ部長〔司会〕)

TICAD7 民間投資への期待 アフリカは投資と貿易を求めている
援助から、投資や貿易へ。アフリカのビジネス志向の流れをリードする国のひとつがガーナだ。ビジネス界出身の大使が、これからのアフリカと日本を語る。
フランク・オチェレ(駐日ガーナ大使)

オーナーシップを尊重した国際協力
非西洋国家としていち早く近代化を果たした日本は、途上国開発のモデルになる。アフリカにおけるさまざまな「日本流」援助からあるべき開発の姿を考える。
北岡伸一(国際協力機構理事長)

日本企業のアフリカ展開における展望と課題
資源輸出依存構造から非連続的成長の創出へ。アフリカビジネスは新展開を迎える。国際協力銀行(JBIC)は金融機関として、地域開発金融機関の活用や第三国連携などで、地理的ハンデを超える「足まわり」を支える。
前田匡史(国際協力銀行総裁)

アフリカビジネス・次の一手
農民組合化を土台としたアフリカ農業基盤デジタル化構想
合田真(日本植物燃料株式会社代表取締役)

「全幅の信頼」を戦略の軸に ともに成長するモデルを
澤田茉季(株式会社鳥取再資源化研究所)

「ルワンダの奇跡」後の課題
悲劇的なジェノサイドを乗り越え、好調な経済パフォーマンスを示すルワンダ。しかし、さらなる国内和解と経済成長を遂げるためには、カガメ政権の権威主義的性格が阻害要因になりかねない。
武内進一(東京外国語大学現代アフリカ地域センター教授)

大きく変わった「アフリカをめぐる物語」
冷戦終焉後、忘れ去られた大陸だったアフリカは、国際社会の関心の高まりに伴って、開発協力と自助努力が相まった好循環が生まれつつある。さらなる自立に向けて、アフリカ諸国が発するメッセージとは。
デイビッド・ピリング(フィナンシャル・タイムズ記者)

深化する中国のアフリカ地域協力 中国・アフリカ協力フォーラム(FOCAC)から見る
中国とアフリカの協力関係は、近年、一帯一路構想とリンクを強める一方、過剰債務の批判に応えてか、新たな公的資金の規模縮小などの「見直し」が行われている。
北野尚宏(早稲田大学教授)

いま、アフリカ支援最前線で
道普請は世界へ続く
福林良典(特定非営利活動法人 道普請人理事)

性と生殖に関する健康と権利を推進し 女性の命を守り、エンパワーする
勝部まゆみ(公的財団法人ジョイセフ業務執行理事・事務局長)

「水」を通じた自立への道筋を支援
木下香奈子/柴田栄子/ンジャイさおり(特定非営利活動法人ホープ・インターナショナル開発機構)

TREND2019
中国の「外交問題」化する香港政治
6月から波状的に続く反対デモは、さまざまな勢力の緩い合同が粘り強く行動する形が、過去の「雨傘運動」とは違う。内政問題のつもりが外交問題に直面した中国政府による、香港政策見直しもありえよう。
倉田徹(立教大学教授)

左傾化する米民主党 トランプ再選阻止なるか
2020年大統領選をめざして民主党の候補者レースが始まった。本命の中道派バイデン氏にハリス氏ら左派の論客が切り込む。党内にはペロシ下院議長も手を焼く左派若手が台頭し、一つの政治潮流をつくりつつある。
古本陽荘(毎日新聞北米総局長)

「脱EU」から「奪EU」へ 欧州議会選に見るポピュリズムのゆくえ
ブレグジッドを横目に見ながら、欧州各国に生まれたポピュリズム政権は、「脱EU」から、EUの中で主導権を取り、民主主義を形骸化させる「奪EU」に舵を切った。欧州議会選挙後、その動きは顕在化している。
庄司克宏(慶應義塾大学教授)

混迷深めるアルジェリア政治と大統領選挙
ブーフテリカ大統領の五選を阻止し、同大統領を傀儡とした軍事政権にノーを突きつける市民デモがやまない。権力を握るサーリフ軍長官による軍支配体制を崩すことができるか。
私市正年(上智大学名誉教授)

どうなるアジア太平洋の「道」 対米摩擦で多角化する再選後のモディ外交
圧倒的な支持で再選されたモディ首相。パキスタンとの緊張で強い指導者を演じた一方で、米国との貿易や武器調達の摩擦でロシアと中国に接近。伝統の多角的外交はどのように展開するか。
伊藤融(防衛大学校准教授)

陸の「一帯一路」で高まる印中の軍事的緊張
「一帯一路」を掲げて中国が進めるインフラ整備が、インドとの国境紛争を再燃させている。ドクラム高地、カシミール、「中国・パキスタン経済回廊」を舞台に、その実態に迫る。
長尾賢(ハドソン研究所研究員)

FOCUS◎米国外交と国際秩序
「米中貿易戦争」と中国の戦略
中国との貿易摩擦、北朝鮮との非核化交渉、イラン核合意をめぐる相克。トランプの外交は国際秩序をも変えようとする勢いだが、相手国から見れば、また異なった様相が見て取れる。
徳地立人(アジア・パシフィック・イニシアティブ シニアフェロー)

シナリオなき米朝板門店会談の余波
ツイッターを契機に板門店で対面した米朝首脳。表面的な対話の裏で、北朝鮮非核化の歩みはなんら進んでいない。かみ合わない交渉の背後にある北朝鮮の戦略を読み解く。
牧野愛博(朝日新聞編集委員)

一触即発か 米・イラン関係
トランプ大統領の核合意離脱宣言から一年。イラン経済は逼迫し、ウラン濃縮を再開した。タンカー襲撃、ドローン撃墜など危険な偶発事件が散発するなかで、仲介を買って出た日本をはじめ世界は、どう戦争を回避できるか。
鈴木一人(北海道大学教授)

特別企画◎
歴代外務次官が語る平成日本外交史4
佐々江賢一郎(次官在任2010~2012)
尖閣問題にみる「法治」「人治」の思考ギャップ
日米・日中・日韓にみる「和解」の重層性

連載

数字が語る世界経済
伊藤信悟(国際経済研究所主席研究員)

《全文公開》ゴルゴ13が教える海外安全対策8 危機管理はトップから!いざという時に備えよ

アラウンド・ザ・ワールド
ギリシャ急進左派連合の退潮 どうなるポピュリズム
村田奈々子(東洋大学教授)

統計からみる難民の状況 求められる受け入れ責任の共有
石川えり(難民支援協会代表理事)

ブックレビュー
高橋和宏(法政大学教授)

外務省だより
グビー・ワールドカップ開催間近

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