第4回 外交論文コンテストにご応募いただき、誠にありがとうございました。
ここに入賞作品をご紹介いたします。
最優秀賞
該当作品なし
優秀賞
柳沢崇文 様(会社員)
「普通の国」としての「日本らしさ」の発信
【講評】
ともすれば安全保障の観点に傾きがちな「普通の国」論を再構成し、文化外交など日本独自のコンテンツを中心に外交の役割を再認識させた。日本外交のバランスある発展を、説得力を持って論じており、高い評価を得た。個々の政策については、もう少し新しい情報や視点が加わると、より刺激が増すであろう。
生駒知基 様(大学生)
ユネスコ記憶遺産への日本の挑戦
【講評】
ユネスコ記憶遺産というホットな論点を取り上げた点で関心を引いた。南京事件やシベリア抑留まで分析の射程を広げたことで、日本の登録問題を立体的に考察しやすくなっている。「記憶をめぐる政治」の序章的な面白みを感じさせた一方、間口を広げた分、個々の論点への言及がやや物足りなく感じられた。一次資料への積極的なアクセスがあれば、記述により厚みが増すだろう。
佳作
久野千尋 様(会社員)
日本と後世の社会の繁栄に資する日本の外交努力について
【講評】
自治体の先進的事業として取り組まれている水素エネルギーを外交ツールとして活用することを提言した。グローバル課題、科学技術、国際世論といった要素を絡めた外交論は具体的だが、他方で既存の政策紹介が多く、もう少しオリジナリティがほしかった。
牧野桃子 様(大学生)
非常任理事国として日本に求められる難民支援
【講評】
難民問題という現在の世界が直面する最重要テーマに取り組んだ。参考文献もよく渉猟されており、事実の認定や解釈に信頼がおける。惜しむらくは、目の前の難民への対応も含め、もう少し踏み込んだ提言があれば、議論を喚起できたであろう。
小松優也 様(大学生)
「核の傘」の受益国連携体制による核兵器廃絶への道
【講評】
「核の傘」の受益国が連帯して核軍縮をめざすという発想がユニークであったが、そこからの展開がもう一歩であった。米ロ関係を仲介する日本というイメージが安倍政権の対ロ外交とどう絡むかなど、現実政治への補助線があると、臨場感も増したように思える。